Belly DanceColumn

40代からのベリーダンスについて

実は、ダンス業界では「プロダンサーの寿命は40代くらいまで」と言われています。

どんなに素敵なダンサーさんでもそれなりの年齢になってくると、以前より軸がブレやすくなったり、キレがなくなったり…
目に見えて身体が動かなくなってくる人が多いのが、残念ながら40代からの現実です。

私自身も30代後半から「体力がなくなったなぁ」「ちょっと無理するとすぐどこか痛めてしまうようになったなぁ」と感じることが増えました。

これまで体力と力技でなんとかなっていた部分が、なんとかならなくなるんですよね…

40代からの変化の原因3つ

筋肉の衰え

40代からは若い頃と比べて、筋肉がつきにくいことに加え、ついた筋肉が落ちやすくなってきます。

たった一週間踊らなかっただけで、つま先立ちがしにくくなってたりね…

加齢による筋肉量の低下(筋肉量は20代では体重の40%程度で、そこから10年ごとに6%ずつ減)によって、40代中頃では20代の85%まで落ちてしまいます。これは、50kgの人なら20代の頃は筋肉量20kgだったのが、40代では14㎏くらいになっているということ。

その結果→太る。

筋肉が減ると基礎代謝も落ちるので、女性では筋肉ががくんと減る50代から太りやすく痩せにくくなったと感じる人が多くなります。

その結果→怪我をしやすくなる。

筋肉の柔軟性も減ってくるので怪我をしやすく、回復にも時間がかかるようになります。

その結果→体力が落ちる。

若い頃に比べて筋肉量や肺活量が落ちるので、その結果「体力が落ちた」と感じます。

バランス感覚の衰え

バランス感覚は「目」「耳(三半規管、前庭)」「身体感覚(足裏と体幹インナーマッスル)」の連携の結果であるため、各部位の老化に伴いバランス感覚も衰えます。

長年の姿勢不良によって身体の歪みが大きかったり、インナーマッスルが衰えてくれば身体のバランスを保つのが難しくなりますよね。

また、40代からは関節軟骨の変形や、膝関節と股関節のトラブルなどが出やすくなる年代。固まってしまい可動域が狭くなったり、痛みや不快感によっても姿勢不良が引き起こされてバランスが取りにくくなります。

女性ホルモンの影響も

女性ホルモンが減ってくることで、身体のあちこちに症状が出てきます。

お肌の老化はもちろん、肩こりや疲れやすさ、めまいなども自覚されやすい症状です。

40代からダンスを上達させるには?

40代からダンスを始めた人で、「楽しく身体を動かしたい」からもう一歩踏み込んで、「うまく踊れるようになりたい!」なら、週1のレッスンだけではなく+αの努力がやはり必要になってきます。

加齢によるマイナス分も折り込みつつ、積極的に取り組んでいきましょう。

①回復力を高める

まずは回復力を高めましょう。
身体を回復させるのは基本中の基本、「栄養」「休息(睡眠)」です。

たんぱく質は筋肉のために必要ですし、水分は柔軟性を保つために必要です。
疲れが取れないという人は、普段からビタミンB1やミネラル類が不足していないかも確認してみましょう。

②筋肉を鍛える

たとえば10の筋トレをしたときにつく筋肉量は、若い頃と40代では同じではありません。
10の筋トレにプラスして、「加齢により筋肉が減っていくスピード分」+「加齢によりつきにくくなっている分」の筋トレ(例えば10+5)をし続けなければ、20代と同じように筋肉をつけることが難しいのです。

40代以上の人が「筋肉をつけたい」と思ってちょっと筋トレをしたくらいではなかなか変化が見られないのは、「減っている筋肉量を維持する程度」の筋トレにしかなっていないから、かもしれません。

ダンスでも、週1のレッスンでなかなか上達しないと感じる人は、レッスンの回数を増やしたり自主練を行ってみてください。

(私のレッスンは振付を覚えるのが目的ではなく、身体の使い方を確認しながら繰り返し練習し、踊るための筋肉をつけるのが目的です…!)

正しい筋肉の使い方で練習量を増やすことが「40代からの踊れる身体をつくる」ためのポイントだと覚えておいてください。

ケガをしないための正しいやり方と、減りやすくなった分をまかなう地道な練習量…つまり「質と量」どちらも大事、ってことですね!

③バランス感覚を鍛える

バランス感覚は、目×耳×足裏の3つの感覚情報から成り立っています。

耳の奥、平衡感覚を司る前庭の機能が低下するのは防げませんが、そのかわり小脳の働きを鍛えることでこれを補うことが可能です。

頭を動かさずに目だけで動くものを追いかける練習や、その場でぐるぐる回転する練習は平衡感覚を鍛えてくれます。

また、足裏の感覚を鍛えることも大切です。
体重を乗せるのは足首だと内くるぶしのあたり。

そこから繋がる足裏では、母指球と小指球と踵の3点を結ぶ三角アーチで立つことが重要です。
偏平足など足裏のアーチがつぶれている人は、まず足裏をゴルフボールなどを踏んで刺激するところから始めてみましょう。

バランスディスクなどを使って片足立ちの練習もおすすめですよ〜

④柔軟性を高める

なにもしなければ柔軟性も失われていくのが40代からの身体。
寝起きに筋肉が突っ張った感覚があったり、ガチガチに固まっていると感じたことはありませんか?

筋肉に柔軟性がない身体は怪我をしやすくなります。
ストレッチすると痛いからといってそのままにしておくと、歪みや痛みの原因にも…

特に「お尻」「鼠径部」「前腿から足首まで」といった下半身が硬くなりやすいので、お風呂上りや寝る前など下半身のストレッチは短時間でも毎日行いましょう。

⑤肺活量を上げる

肺活量をアップするエクササイズは、体力の向上が期待できます。

肺活量をアップするには、中程度の有酸素運動を週3回程度すると良いと言われています。

私のレッスンでもたまにご紹介している横隔膜を使う腹式呼吸、そして胸郭を広げるハート呼吸もぜひ取り入れてみてくださいね。

ベリーダンスは40代からでも踊れるダンス

とはいえベリーダンスは踊り方によっては「何歳になっても踊っていられる」といわれるほど、大人の女性の身体に負担の少ないダンスです。

柔軟性やスピード・パワーが必要な派手な踊り方のショーダンスなどは別として、シンプルで身体に無理のないエジプシャンスタイルのベリーダンスであれば、身体が動くかぎり踊り続けることができます。

もちろん若い方より時間はかかるかもしれませんが、何歳からでも始められ、踊れるようになりますので、一生ものの趣味として気長に取り組んでみてはいかがでしょうか?

若い頃とは違う身体の使い方を

年齢とともに運動機能が衰えていく事実は避けられません。

しかし、30代、40代、50代の時期に適度な運動を習慣にしている人は、そうでない人に比べて老化スピードが遅くなりますし、見た目の印象も若々しいのもまた事実。

40代は変化を受け入れつつ、あたらしいカラダに適応していくタイミングだと思います。

若い頃と同じような感覚でいると「みんなと同じように練習しているのにうまく踊れない」と感じるかもしれませんが、「もう年だから」とあきらめるのではなく、練習の仕方や踊り方を変えればいいのだと思います。

できないことは、できることで代用すればいいのです。

身体能力が重要なスポーツとくらべ、表現としての側面も大きいのがダンスですから、ご自身の変化とポジティブに向き合いながら表現を楽しみましょう!

2023年12月start!
毎週火曜日20:30‐21:30
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