Belly DanceColumn

類は友を呼ぶor朱に交われば赤くなる

「類は友を呼ぶ」ということわざがあります。
同じような性質や価値観を持った人は自然と集まるものだ、という意味ですね。

そして「朱に交われば赤くなる」ということわざもあります。
同じような性質や価値観を持つ人たちの中に行けば、本来は違う個性を持っていても周りの色に染まってしまう、という意味です。
人は良くも悪くも、それほど周囲の環境に影響されやすい生き物なんですよね。
悪い意味では、同調圧力もこの仲間です。

類は友を呼ぶ

他人と比較して「だれか私を褒めてほしい」と思っている人たちは「誰か褒めて」という欲求を持った人たちのグループに行きがちです。
モチベーションは「他人よりも優れること」。
みんなおおやけに「私をほめて!」とは言えないので、水面下で競い合い・自尊心を奪い合う場所で戦うことを余儀なくされます。

一方で過去の自分とだけ比較して「なんか良くなってきたぞ」「以前よりも成長してるかも」「できることが増えてうれしい」というマインドで生きている人は、同じように自己成長のモチベーションで生きている人たちが集まります。

朱に交われば赤くなる

では、自己成長のモチベーションを持った人達の中に、「私を褒めて、認めてほしい」というモチベーションの人が「朱に交わったら」どうなるでしょうか?

まず最初は、なんともいえない居心地の悪さを感じるでしょう。
誰も自分のことを気にしてくれていないような気になるからです。

悪い人たちじゃないのに疎外感があるというか、場違いと感じたり、自分が受け入れられていないようなみじめさを感じたり、やけに対抗心がでてしまったり…「なじめない、なんか違う」と早々に見切りをつけてしまうかもしれません。

しかし何らかの理由をもって、最初の違和感や居心地の悪さを乗り越えてそこに居続ければ、次第に前者のマインドに染まっていくものでもあるのです。
「いちいち比較する」のをやめ、「受け入れられ待ち」をやめると、人生のハンドルが自分の手に戻ってきます。そして周りの人と同じように、自己成長のモチベーションで前を見て動くようになるでしょう。

安心して表現できる場所に

自己表現しようとする人たちは、同じように「自己表現しよう」としている人たちのもとに集います。
その方が居心地がいいからです。
勇気を出して自己表現をしている人たちは、他の人の自己表現をバカにしたり、ひとつの価値基準で評価したりしません。
自分もそうされたくないからです。

いま私のレッスンに通ってくださっている生徒さん方はみな、「勇気を出して自分らしさと向き合い、自己表現をしようとしている人たち」。
これまでの自分の殻をやぶり、大人になるほど高くなりがちな自尊心をなだめ、忙しい日々の合間をぬって練習し、自分らしさという光を磨きだすように慣れない場所で表現する…

もうなんかちょっと修行っぽいなとも思うんだけど、「大人になっても成長し続ける」ってそういうことだよね!

破壊と再生を繰り返して「自分らしくないもの」を脱ぎ捨てつつ「より自分らしいもの」を磨いていく…
こういう修行(?)って生きるのに必須ではないし、具体的な収入アップとかスキルアップとかには直接つながらないものだけど、「ただ生きる」だけなら必要なくても「私らしく生きる」という意味ではむしろ最優先すべきテーマじゃないかと思うのです。

私はいつもその過程のキラキラした美しさ・尊さに感動して泣きそうになっているよ(先生重いな…って引かれるのが嫌だから言わないけど)。

正直、ベリーダンス教室なんてたくさんあるし素敵な先生はたくさんいるので、ただ教えるだけならあえて私がやる必要なんてないと思っていて。
Oriental Dance Therapyを通じて提供したいのは「安心して自己表現できる場所」で、それは私がやる意味があると思う。ってことで2023年もがんばるぞ。

先日の発表会で生徒さんたちの出すキラキラを充電したので、また次の発表会くらいまでは持ちそうです。

踊ることは無意識の自己表現

私は職業柄、洞察力がある方だと思いますが、ステージに立つとより人柄がわかるっていうか「あぁほんとはこんな一面のある人なんだな」っていうのが露骨に見て取れます。
そしてそのギャップは本人も気づいていない魅力になっていることを、まわりの人は感じています。

特に初心者さんは「セルフイメージを作って踊っていない(そこまで余裕がない)」ので、わかりやすい。

これは持論ですが、身体を使って表現しようとしているときって心が無防備になるんだと思います。
普段は社会に適応するために気を張っていたり、万人受けするように意識的に個性を抑えているような人も、踊っている最中は「私そのもの!」って感じのピュアな人間性が表現されています。
良くも悪くも、それが本当に美しい。

まさに踊る=自己表現ですね!