ベリーダンスでよく使うアラブのリズムとそのポイントをまとめておきます。
長年ベリーダンスを習っていても、リズムと名前が一致しない人は多いようです。
とくにこれまでリズムをあまり意識して踊ってこなかった人たちは、覚えるのに苦戦しがちですよね。
実は私も、リズムを聞いて名前がぱっと思い浮かぶのはよく使う基本のリズムだけ…
まぁ踊るだけなら、リズムの名前がわからなくたってリズムさえ躰が覚えていれば踊れるんですが、ミュージシャンと合わせるときや、振付を作るときやシェアするときに、リズムの名前がわかっているととてもスムーズですよ★
また、それぞれのリズムの背景を知ることで、踊るときのフィーリングも変わってきます。
【A:マスムーディ・サギール】
4拍子/DD tD t(ドドン・タ・ドン・タ)
通称『バラディ』です。
最初にDDと重い音が2回くるのがポイント。
日本でいう演歌的なフィーリングのリズムだそうです。
個人的にはタメがあって、ちょっとやぼったい感じの印象を受けるリズムです。
このリズムを8拍子でゆっくり演奏すると、Bのマスムーディ・カビール になります。
重い音なので、合わせるベリーダンスのムーブメントとしてはヒップドロップ系が定番です。
【B:マスムーディ・カビール】
8拍子//D D tkt D tkt(ドン・ドン・タカタ・ドン・タカタ)
マスムーディ・サギール(バラディ)のゆっくりバージョン。
間が空くので、そこに刻んだ音(k)が入ることが多いです。
間に入る音は、奏者の自由(?)というかいろんなアレンジがあるのでちょっと混乱するかもしれません。
重めのバラディのリズムがさらにゆっくりに演奏されるため、曲の印象は『さらに重い』感じに。
【C:サイーディ】
4拍子/Dt DD t(ドタッ・ドドン・タ)
ナイル川上流の人々(サイード)のリズムで、民謡的な立ち位置のものだそうです。
軽快でノリの良い、元気になるようなリズムです。
アサヤと呼ばれるステッキを使うダンスでは、サイーディドレスとサイーディのリズムで踊るのが基本ですが、もともとは棒を持って戦う男性の武道をダンスにアレンジしたものと言われています。
フォークロアなリズムなので、あくまで重心は低く踊るのがポイント。
【D:マクスーム】
4拍子/Dt tD t(ドタッ・タドン・タ)
中間のtt(タッタ)という部分が印象的な、軽快なリズム。
4拍子で演奏されるので、個人的には、サイーディやバラディと比べるとやや平坦な印象のリズムだと感じます。
【E:ファラーヒ】
2拍子/Dt tD t(ドタッ・タドン・タ)
マクスームの早いバージョンです。
2拍子で早いので2つあるDの音が目立ちますし、踊るときもそのDに合わせて踊ることが多いと思います。
重心の高いつま先立ちのツイストやチュチュなどのムーブメントで、アップテンポにせわしなく動くような動きがよく使われます。
【F:アユーブ】
2拍子/D tD t(ドゥン・タ・ドゥンタ)
ベリーダンスの中でもザー(Zar)と呼ばれるダンスに使われるリズムです。
ザーは髪を振り乱して踊るトランスダンスで、少しずつテンポアップ(またはダウン)していくように演奏されることが多いでしょう。
【G:マルフール】
2拍子/D t t(ドゥン・タッ・タ)
エントランス(登場)のときによく使われるリズムで、軽快な印象です。つま先立ちのツーステップや、スリークォーターシミーで進むような動きが合います。
【H:チフテテリ】
8拍子/D tt tt D D t(ドゥンタタ・タタ・ドゥンドゥンタ)
古代ギリシャのリズムといわれています。
ゆったりとした厳かな雰囲気のあるリズムです。
ベリーダンスではタクシームやフロアワークを合わせることが多いようです。
【I:サマーイ】
10拍子/D t D D t(ドゥン・・カッ・・ドゥンドゥンタ)
ゆったりとした情緒あるリズムです。
ランマバーダという有名な曲に使われているリズムで、ドラマチックな印象。
間に刻む音が入りますが、比較的耳に残りやすい、聞き取りやすいリズムだと思います。
【J:ハリージ】
2拍子/D D t(ドゥン・ドン・カッ)
楽しい印象のあるリズム。
ステップと首の動き、手の動きが特徴的で、ハリージドレスを着て踊ります。
2拍子の中ではややゆったり演奏されることが多いようです。
【K:カルシラマ】
9/8拍子/D t D t t(ドン・タ・ドン・タ・ッタ)
ロマダンスによく使われるリズムで、音を取るのがちょっと難しいと思います。
ベリーダンスで使う有名な曲では、『MASTIKA』や『Rompi Rompi』といった曲のリズムがこちら。
ひたすら踊って躰に覚えさせるのがおすすめです。
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