8月のWSは『ベリーダンス基礎強化』です。
なんでいまさら?と思われるかもしれませんが、生徒さんにとって、またスタジオを運営する側にとっても基礎強化のレッスンを行うことがどれだけ大事かを、ちょっとここで書いてみようかと思います。
教える側にとっての基礎の重要性
実はベリーダンスを習いはじめてしばらくすると、先生に『姿勢』や『基礎テクニックの正確さ』についてあまり指摘されなくなってくることが多いのです。
これは何度も繰り返し指摘されるとモチベーションが下がってしまう生徒さんが多いからだったり、(基本姿勢や基礎テクニックを身につけるのには時間がかかるので)基礎ができないところで立ち止まっているといつまでも次のステップ(振付レッスンなど)へ進めなくなるからだったり。
人数が多いクラスだと、そもそもひとりひとりに時間をかけていられないというのも大きいです。
だから「6割くらいできていればOK」で進めたり、(何度言っても直らないからもうこれ以上言ってもな…)とあきらめて指摘しなくなるのが多くのインストラクターの実際のところだったりします。
こういった習い事全般に言えることですが、レッスンで基本的なやり方は「教えた」のであとは各自で「かみくだき、練習して、身に着けて、レッスンについてきて」というのがレッスンを提供する側の一般的なスタンスなんですよね。
一方で生徒さん側は「レッスンさえ受けていれば上達するはず」と受け身で考えてしまいがちなので(私もそうでした)、どうしてもここに意識のずれが生まれます。
そしてその結果、身体感覚の良い人や積極的に自主練をするタイプの「どんどん上達する人」と、身体がなかなか思うように動かない人やレッスンのときだけしかやらない「上達の遅い人」とでクラスの中でも差が開いていってしまいがち。
こうなるともう、どちらに合わせたレッスンをしてもどちらかにモヤっと不満が生まれるクラスになってしまいやすいのですよね…。
(もちろん「所詮ただの趣味だからうまく踊れなくてもレッスンについていけなくてもOK!」と割り切れる人は別ですよ!ただ人間の心情として、そう割り切れる人は少数派だと思うのです)
そして「上手な人が辞めていく」か「ついていけない人が脱落していく」という、いずれにせよクラス崩壊の道をたどりがち。
これはまぁ仕方ないというか当たり前というか自然な流れではあるのですが…ダンスへの向き合い方の差はあれど「ダンスを楽しいと思える人」が同じようにダンスを楽しむ人の踊る場所を奪ってしまうことのないようにしたいと、個人的には思っているところです。
そのためにはやはりひとりひとりを見られる少人数制で、基礎をきちんと学んでいただくことが必要かなと思い至っています。
(「できなくても繰り返し指摘されると嫌」「基礎ばかりでつまらない」という方には当スタジオのレッスンよりも、スポーツクラブやカルチャースクールのベリーダンスレッスンがおすすめです)
そして基礎は「一度覚えておわり」ではなく、繰り返さないと身体が忘れてきます。レッスンに来られず自己流で練習し続けると変な踊りグセがついてしまうのもあるあるなので、基礎を忘れないためだけでも最低月2回は受けていただくことを前提とした料金体系になっています。
なのでたまに「基礎強化・苦手克服」の機会をもうけていこうという流れでのWS開催となります!
生徒さんにとっての基礎の重要性
当スタジオではレッスンのスタンスが一般的なベリーダンススタジオとは少し違い、「少人数のセミプライベートレッスン感覚」「基礎重視(できるようになるまでしつこく言います)」です。
まぁこの地味な基礎を徹底するからこそ、続ければ「ボディラインが変わる」「身体が変わる」と自信をもって言えるのですが…!
基本姿勢と基礎テクニックという土台づくりのレッスンに時間をかけてコツコツ練習してきた人は、あるところから急カーブで上達します(ほかの習い事もみんなそうですよね)。
一方で、地味な基礎練習をおろそかにして振付ばかり練習しても(最初は楽しくて良いのですが)あるところで「私のダンスだけ下手な気がする」「練習してもできるようにならない」という壁にぶち当たり、ダンスの楽しさがわからなくなってきてしまいます(体験談)。
そしてその頃には「間違った良い姿勢」と「変な踊りグセ」がついてしまっているので、ここからの修正はまっさらな状態から始めるよりもずっと時間がかかるのです(体験談)。
↑このへんで挫折を感じてダンスをやめてしまう人が多いです。
せっかくベリーダンスを10年もやっているのにうまく踊れるようにならないと、まわりと比べて自信がなくなってしまったり、レッスンに行くことが苦痛になったり、ダンス自体が嫌いになってしまうかもしれません。実際にそうやってベリーダンスを辞めていった人を何人もみています。
時間もお金も費やしてきたことの結果がそれというのはとても残念なことだと思います。
「アスリートのような身体能力」や「若さ」を必要としないベリーダンスは、健康法として優秀なのはもちろん、生涯の趣味になりえる習い事です。
「ベリーダンスを踊ることが好き」という気持ちをお持ちのうちは、いちベリーダンサーとしてぜひ続けていただきたいですし、そのために基礎レッスンこそ積極的に受けていただきたいと思います。